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2019.06.16.
【BLOG】旅の途中の手記 02「習慣」


つい先日、6月1日、
友達であるichigoさんの誕生日イベントで
久々にアコギ片手にステージに立ち、歌を歌った

正直びっくりした、
人前で歌うことが楽しくて、泣き出しそうに嬉しくて





2002年、今からもう17年も前か、
初めてバンドという形態でライヴをしてから

3ヶ月以上も人前で歌わないなんてことは
喉の手術で入院した2012年の一度きりだった


当時のわたしは
ライヴのない生活なんて、考えられなかったし
考えたくもなかったし

時間もお金も心の余裕も無かったけど、
そこには無限に広がる無鉄砲な夢があった



だけど同時に

ライヴをすればするほど
何故か身体の中が空っぽになってゆく感覚があった


神経をすり減らしながら、身体を壊しながら
本当に大切なものを両手からポロポロと零しながら

三度の飯より大好きな音楽を
時に大嫌いになりながらも止まることなく

「わたしが生きることは、歌うことだ」と妄信し
ガラッガラのライヴハウスで、ずっと歌っていた


その歪みに気付くのに、そこから6年ぐらいを要した




ルーティンを壊すことは、本当に勇気が要る

ずっと育ててきた名前を変えることも
本当に本当に勇気が必要だったけど

活動名を本名にすることとライヴから離れることは
この先の人生、音楽を大好きなまま
楽しみ続けるために自分にとって不可避だった


お陰で今、大好きなみんなの前で
親から貰った世界にたった一つの本当の自分の名前で
好きで好きで仕方ない歌が歌えることの奇跡を思い出せている


それに加えて、ライヴ活動をしていないからか
前よりも少しだけ心に余裕がある

相変わらず締め切り前はバタバタだし

出演してはいないけど
ライヴハウスには週一では必ず遊びに行くし

バンド仲間と朝まで飲んで二日酔いで後悔したり
相変わらず毎日曲を書いたり歌の練習をしたり


だけど、ライヴ活動は、していない



すると、先々月ぐらいから

今まで見落としていたような些細なことや
それまで興味の無かった色んなものが
意識の深いところまで入ってくるようになった


メロディもそう、言葉も、
空気も、情景も、季節の匂いも、人の言葉も

丁寧に感じ、ゆっくり咀嚼し、丁寧に吐き出している


ご飯も、なんとなく以前よりゆっくり
味わって食べている気がする

ふと、
「ああ、忘れていたな、こういう時間の過ごし方を」
と思った



近い未来、ライヴ活動を再開したとき

この感動の感覚をちゃんと持ち合わせながら
みんなと丁寧に時間を過ごせたらなと思っているよ


だからこそ今、
わたしに必要なのは「習慣の再構築」だ

どれだけ忙しくなって
またライヴが生活の一部になったとしても

今日と同じような気持ちで音楽に向き合えるように
丁寧に、丁寧に、この感動を自分に刷り込むんだ


最高にカッコいい曲を手土産にして
パワーアップしたわたしでライヴハウスに帰ってくるから

あとちょっとだけ待っててね



作曲作業の休憩がてら、
隣町の喫茶店までゆっくり散歩した

梅雨の隙間の束の間の青空も楽しめたし
今夜はもう一踏ん張り!


今日はちょっと、夏の匂いがするな



それでは、また!